『燃えよデブゴン TOKYO MISSION』エキストラ参加してきました(後編)

2回目は千葉県の成田市


この日は朝8時に集合のため自宅の神奈川から始発に乗って現場に向かいました。
しっかり防寒して行ったつもりでしたが、まだ時期は真冬。

も~のすごく寒かった覚えがあります。

 

到着してすぐお弁当と烏龍茶の差し入れを頂き朝食を摂りました。

女性のスタッフさんの指示でそれぞれの役柄に分かれて時間までバスの中で待機。

 

今回は予告にも流れていた市場のイベントのシーンの撮影で自分は一般客の役。
他には市場で競りを行う業者の役(おそらく本職の人?)卸売り業者の役
マスコミの役、太鼓を叩く役、など多彩なエキストラの方々が集まっておりました。

 

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時間になり撮影場所に移動。築地市場を想定したセットがあり大きなクレーンカメラが目に入り(うおーー!!本物だー!!)とまた一人でテンション爆上げ。

 

スタッフさんから説明を受け自分の役は市場の入口から会場の場所まで指示されたタイミングで移動し一般客として壇上を見続けるとういうもの。

細かい演技指導はありませんが、カメラのほぼ正面に立つのでシナリオに合わせて表情や視線を合わせないといけない。ヤクザの役の時とは違った緊張感がありました。

 

そして壇上に丞威さん、渡辺哲さん、香港女優のニキ・チョウさんが登場。
当然、この時はお三方がどういった役回りになるのかこの時は全く分かりません。

渡辺哲さんは黒のコートとハットを被って座っておられダンディな雰囲気を漂わせてました。見た目はマフィアの親分っぽい…?

 

ニキ・チョウさんは初めて拝見しましたが、ものすごく美人!日本語を話される台詞もあって振る舞いがとてもチャーミングでした。

主役が恋する本作のヒロインになる人なのかなと勝手に想像してました。

 

丞威さんは先日に引き続きスーツ姿で登場。挨拶のため壇上の真ん中に立ち正面から見ましたがスタイルが良い!

スーツ姿からでも伝わるくらいに無駄な肉が付いてなく格好良くて同性ながら憧れますね。。。撮影合間でもシャドーボクシングをしたり、ニキチョウさんを丁寧にエスコートされたりと男前ぶりを発揮しておられました。

 

そしてスタッフさんから撮影の流れ等の説明を受け、指示された市場の入り口辺りの立ち位置で待機していると目の前に黒メガネを掛けて丸々と太った作業着姿の男が現れ…

 

(ドニー……さん?え?…本物?…間違いないよな?うわううううおおおおおおお!!!!!)

 

目の前にあの『ラン提督、馬軍、長空、王小龍、チアルート、イップ師匠』を演じてきたドニー・イェンが立っている…!!

しかし今まで映画で見てきたドニー・イェンとは明らかに姿形が変わっているだけあってなかなか現実感が沸かない。(笑)

隣にウォン・ジン(この時は香港の大物俳優とは知らず)が一緒に立っておられ打ち合わせらしき話をされてました。

 

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それからリハーサルが行われていくのですが、自分の立ち位置の2m近くにドニーさんが立っておられて気になって気になってついつい横目で見てしまいそうになります。

しかしエキストラのルールとして「役者を凝視してはいけない」というものがありまして役者が演技に集中するのに気が散って妨げになるとの理由からNGなんですね。また自分にもカメラが向けられているので余所見はできない。
ファンイベントではなく仕事に参加させてもらってる気構えでやらないといけないのでここはひたすら堪える。


現場は当然、ピリピリとした緊張感があって偶に怒号に近い声も飛んできます。
谷垣監督からもスタッフに怒鳴り声に近い声で指示を飛ばしてて少しビビってしまうも(ああ…これが現場なんだな)という心地良さに近い妙な体感がありました。

その中でも一番声が大きかったのが他でもないドニーさん。台詞のリハかもしれませんでしたが、明るく優しい声で広東語で話されてて内容が分からないのに周りのエキストラがつられて笑ってしまう。この時が一番ドニーさんの魅力の一部を感じた瞬間でした。

 

『人間、声は大きく出せるに越したことはない。』

 

また撮影場所から少し離れた所で一人で静かに腕を後ろ手に組んで考え事をされていたりと映像で見る役者、武術家、有名人とは違った側面が見れた気がしました。


午後になりしばらく待機時間が続きます。

詳細は分かりませんがどうやら香港映画特有(?)のその場で演出や台詞を変えたりする打ち合わせが行われているらしく、演技指導に谷垣監督、甄家班のイム・ワーさん(めっちゃ派手なジーンズを履いておられた)が丞威さんに演技のアドバイスをされておられたり、様々な演出を試すためか何度もリハを行なったりとOKが出るまで相当の時間を要してました。特にイム・ワーさんの演技指導は「相手に気付いて歩いて近付いていく」だけですが、気付くタイミングと歩きの動作を少し変えるだけでかなり見栄えが良くなっていてつい見入って感動していた覚えがあります。(これは言葉では具体的に説明できない)

 

その間、別の場所でアクションシーンの撮影が進行してまして声が聞こえてくる程度しか分からなかったのですが、同じシーンを延々と繰り返されている様で、アクションスタントさんの大変さが生々しく伝わって来ました。
待機時間とはいえ勝手な行動は出来ないので撮影シーンを見ることは出来なかったのですが、内心(どうにかして見学をお願いできないかなぁ…)とか考えたりしてました(笑)

 

OKが出たのは日の落ちた夕方、ようやく終わりかなと思いきや…

 

撮影はまだありました!

 

最後はフォークリフトがイベント会場に突撃してくるシーン

既に夜ですがスタッフはもちろんエキストラの皆さんもまだまだ元気の様子。

非常に危険な撮影で一発勝負なので念入りに説明を受けフォークリフトから逃げる方向を確認。特に足元にはパレットがあるため転倒しないよう隣の人と声を掛け合います。

(この時が一番スタッフとエキストラの皆で息を合わせていたと思います。)

悲鳴を上げることも忘れず気合を入れて叫び…無事OKが出て終了!!

 

 

 

時間は20時くらいになっていたのでエキストラ組は即撤収となりました。

予定では次の日も撮影がありましたが、自分は今日だけの参加だったのでこれで最後。

これからバスで2~3時間掛けて帰るわけですが、この日に起こった全ての事に対して「疲れた・辛い」の感情はありませんでした。谷垣監督・主演ドニー・イェンの作品に参加できた事。一生にもう二度とないかもしれない貴重な経験ができた事。その充足感を感じながら帰路に着きました。

 

・・・・

2021年1月1日。公開当日に明治神宮で初詣に行った後に新宿TOHOシネマズ で『燃えよデブゴン TOKYO MISSION』を観ました。

 

そして…

映ってたーーーーーーーーーー!!!!

 

ヤクザ役では頭下げてるシーンが僅かに映ってすぐ見切れる(笑)…

市場では予想よりもハッキリ目立つ所に眼鏡を掛けて顎の出っ張った怪しい男が映ってました(恥)

 

申し訳ないやら恥ずかしいやらと複雑な感情が溢れてきましたがそれ以上に

もう素直に『嬉しい』の一言ですね。

 

作品は本当に面白かった!『イップ・マン』や『SPL』の様なシリアスでもなく『かちこみ!ドラゴン・タイガーゲート』みたいな特撮アクションとも違う久しぶりに『大福星』『ポリス・ストーリー』に近い純粋に笑いとハイクオリティなアクションを楽しめるアクションコメディ。

 


ドニー・イェン『燃えよデブゴン/TOKYO MISSION』本編アクションシーン

 

コロナ禍で気分が暗くなってる世の中で一時でも明るい気持ちにさせてくれる映画としてお勧めしたいと思います。まだまだ公開していおりますので是非ご覧いただければと思います。よろしくお願い致します!!

 

 

『燃えよデブゴン TOKYO MISSION』エキストラ参加してきました(前編)

2021年1月1日(金)より、TOHOシネマズ他で全国一斉公開されました。谷垣健治監督、ドニー・イェン主演作『燃えよデブゴン TOKYO MISSION』

本作は香港・日本が舞台で2年前の2018年1月頃に谷垣監督のTwitterより日本撮影のためエキストラ参加の募集がされていたのが目に入り、思い切って参加してきましたのでその体験記を書いてみようと思います。(稚拙な文章ご容赦ください)

 


ドニー・イェン×谷垣健治!映画『燃えよデブゴン/TOKYO MISSION』予告編

 

ドニー・イェンというアクション俳優の存在を知ったのは映画『イップ・マン序章』から。
それまでいわゆる香港アクション映画に詳しくはなかったのですが、劇中の凛とした姿と鋭い眼光で日本人の空手家10人を相手に詠春拳で圧倒する姿に衝撃を受けたのが最初でした。
それから過去の出演作を観始め、スタントマン・アクション指導として関わられていた谷垣監督を知り現在に至ります。

1回目は東京の東小金井の某撮影所にて役柄は「ヤクザの組員」

お昼に東小金井駅に集合し現地に車に乗って移動。
エキストラ参加自体、初めてで嬉しさも当然あったのですが、現地に向かうまで既に緊張の状態にありました。
一緒に参加する方に「自分初めてなんでどうやって演技したらいいんですかね?」とか恥ずかしい質問してしまったり…。

 

現地に着いて時間まで待機。その間は少し自由時間があったので屋敷や撮影機材を見学、アクション映画らしい義手の小道具まで置いてあったのが目に入り興奮状態になっておりました(笑)

夕方頃に衣装合わせのために屋敷の2階に移動。スタッフさんに衣装選んでもらいスタイリストさんに髪形をセットしてもらうのですが、TVで見た様な鏡の前に座って談笑しながらセットしてもらうシーンそのままで少しだけ役者気分になって気恥ずかしいやら何やら…

着替えた後、出番が来るまでひたすら待機ですが、他の参加者さんと少しだけお話しする機会がありました。
ドニーさんのファンで仕事を休んでもどうしても参加したかったと熱烈に話していた方、逆にドニーさんも谷垣監督もよく知らないけどエキストラが好きで参加した方と参加理由は様々。
特にファンの方は『ドラゴン酔太極拳』『タイガー・コネクション』の頃からの作品に詳しく(自分はまだまだ新人だなー)と思いながら談笑してました。

 

そして撮影開始はなんと夜!
屋敷の正門から玄関まで並んで丞威さん演じる島倉を迎えるシーンの撮影。
一応、台詞も演技もあり丞威さんが近付いてこられたら頭を下げて「お疲れ様です!!」と挨拶をするというもの。
並んで待ってる間は照明のセットで慌ただしい雰囲気になっていましたが光の加減で灯篭に紙を張ったり位置を調整したりと技術スタッフの拘りを間近で見せられ(あぁこれが映画の仕事なのか)と見入ってました。

 

そして谷垣監督が登場!
黒のダウンジャケット姿で正門辺りから歩いて来られハキハキと指示を飛ばしておられました。
(風邪を引いておられたのか少し声がガラガラ気味だったのを覚えています)

雪が残る夜で寒さもハンパなかったですが、谷垣監督の声を聴いてから一気に吹き飛び
初対面のエキストラの皆さんと共に気合注入がてら台詞と挨拶の練習!

その間もスタッフさんからカイロの差し入れがあったり撮影のために脱いでいた
防寒具を持って来ていただいたりと気遣っていただきまして失礼ながらもう少し適当に扱われるイメージがあったので素直に嬉しかったです。


そしてついに本番…!

島倉役の丞威さんが歩いてこられ「お疲れ様です!!!!」と精一杯の挨拶!
数回の撮影の後にOKが出て無事終了しました。
撮影の間は頭を下げているので丞威さんの顔は見えなかったのですが、
後で予告を見てみると丞威さんと一緒にスタントマン・モーションキャプチャでご活躍されていた三元雅芸さんも映っておられて、その時は全く気付かなかったのでまぁビックリでした!
(これが切っ掛けなのか後に『HYDRA』のトークイベントで一緒に写真を撮って頂く機会に恵まれたわけですが…)

また丞威さん、我々エキストラに「お疲れさまですー!」と気さくに声を掛けて下さり
嬉しさで疲れも吹き飛びました。

 


【肥龍過江】重磅賀歲 1月23日(四) 笑闖東瀛花絮

 

ここまで書いておいて肝心のドニーさんには…

この日はお会いできませんした!(泣)


屋敷内でカメラチェックされていたとか正門で辺りで様子見に来ていたとか聞こえてきましたが、ついに姿を見られず残念な気持ち半分、初めてエキストラ参加できた嬉しさ半分の気持ちで帰路に着きました。


そして2回目に続きます。